地形を“奏でる”Web地図。標高カラー調整ツール「Relief Fiddler」

地形を「奏でる」探索体験

まずは、以下のデモサイトにアクセスして、実際に触ってみてください。

一般的なGISソフトやWebマップで標高の色分け(段彩図)を変更する際、「最小値は何メートル、最大値は何メートル…」と数字を打ち込んだり、固定のスライダーを操作したりするのが普通でした。しかし、私たちが本当にやりたいのは「数字の入力」ではなく、あれこれいじくりまわしながら「地形のパターンを発見」することです。

Relief Fiddlerでは、地図上で Altキーを押しながらマウスをドラッグ するだけで、地形の色分けをリアルタイムかつ無段階に調整できます。 上下のドラッグで「注目する標高(中心値)」を移動し、左右のドラッグで「色を付ける標高の幅(コントラスト)」を拡縮します。

なお、Fiddleは英語で「いじくりまわす」という意味もありますし、楽器のフィドル(バイオリン)の意味もあります。バイオリンの弦をボウイングするようにマウスを動かし、地形をいじくりまわすツール、というダブルミーニングです。

たとえば、海域にフォーカスして色を調整すると、広い太平洋の中に複雑な地形があることが浮かび上がりますし、標高差を極端に狭くして平野部にフォーカスすると、ちょっとだけ標高の高い自然堤防や、標高の低い後背湿地の様子も見えてきます。

見えなかった「微地形」があぶり出される

この直感的な操作により、これまで肉眼では見えにくかった地形のディテールが瞬時に浮かび上がります。

たとえば、標高差を極端に狭くして平野部にフォーカスすると、関東平野に隠されたわずか数十センチの凹凸(自然堤防や旧河道)がくっきりと現れます。反対に、海域にフォーカスすれば、日本海溝の複雑な亀裂を探索することができます。

画像処理みたいに色を変えたい – 「ヒストグラム/トーンカーブ」

さらに高度な探索のために、画面右下のヒストグラムには「トーンカーブ機能」を搭載しました。 曲線をマウスで引っ張ることで、「色の変化を低地に集中させる」といった非線形な色割り当て(ガンマ補正)が可能です。
標高の高いところはヒストグラムから最大値側を左にスライドして捨ててしまって、平地の微妙な地形をFiddleツールで微調整するなどの使い方ができます。

一応3D表示もできます

MapLibreという地図ライブラリを使っているので3D表示にも対応しています。Ctrlキー(または右クリック)で地図を傾けながら色を変え、地理院タイルなどの背景地図と乗算で重ね合わせることで、没入感のある地形表現もできます。
※ただ、読み込むデータ量の工夫などしていないため重いです。

リアルタイム描画を支える技術

本ツールは、学会の予稿を書くのに行き詰って、現実逃避のために作りました。今は予稿を書かないといけないので時間が取れませんが、近いうちにGithub等でRelief Fiddlerのコードを公開、再利用できるようにしますのでしばしお待ちください
m(_ _)m

(※なお本ツールは、1990年代の科学データ可視化ソフト「TRANSFORM」に搭載されていた(私の中で)伝説的なUI “Fiddleツール”へのリスペクトを込めて開発しました)

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