日照シミュレーター「陽だまりマップ SUNSCAPE」

1.このアプリは何?

「陽だまりマップ -SUNSCAPE-」は、ブラウザ上で動作する日照・陰影シミュレーターです。

一般的な日の出・日没時刻は「平坦な地平線」を基準に計算されますが、実際の私たちの生活環境には山や起伏があります。本アプリは、産業技術総合研究所の標高タイル(DEM)を活用し、「周囲の山々に遮られることなく、実際に太陽が顔を出す(隠れる)のは何時か?」という実質的な日当たりを、地図上で視覚的にシミュレーションすることができます。

2.アプリでできること

  • リアルタイムな陰影シミュレーション 指定した日時における太陽の位置を計算し、地形が作り出す「影」の広がりを地図上に描画します。
  • 実質的な「日の出・日没時刻」の算出 地図の中心地点から周囲最大80kmの地形をスキャンし、遠くの山影などを考慮した正確な日の出・日没時刻を割り出します。(※地球の丸みによる地平線の沈み込みも考慮しています)
  • 月別・年間日照時間のグラフ化 その場所で1年間にどれくらいの日照が得られるかを高速シミュレーションし、月ごとの日照時間をグラフで確認できます。
  • 太陽方位の可視化 地図中心から太陽の方向へ伸びる赤い方位線を表示し、直感的な方角の把握を助けます。
2026年1月1日6:59に富士山に直射日光が当たる範囲
年間日照時間時間の計算と月別日照時間グラフの表示

3.使い方

本アプリは、PCのブラウザでのご利用を推奨しています。(ズームレベル11以上で計算が有効になります)

  1. 場所を決める:地図を動かして、調べたい場所を画面の中心(十字マーク)に合わせます。
  2. 日時を指定する:左上のパネルから、シミュレーションしたい日時(JST)を入力します。
  3. 日の出・日没に合わせる:「日の出に合わせる」「日没に合わせる」ボタンを押すと、その場所の地形を考慮した時刻に自動でジャンプし、影の様子を確認できます。
  4. 日の出・日没の定義を変える:初期状態では、太陽の中心が地平線(水平線)から出た時点を日の出と定義していますが、太陽の上端が水平線(地平線)から出た時点を日の出と定義して計算することもできます。
  5. 表示を調整する:「陰影」や「日照」のスライダーを動かして、地図上の影の濃さを見やすく調整できます。
  6. 年間日照を調べる:パネル下部の「グラフを計算・更新」ボタンを押すと、中心地点の年間日照時間の累計と月別グラフが表示されます。

※日照エリアの計算にはお手持ちのブラウザの機能を使って実行しています。計算には数秒~数10秒かかります。計算中は画面左側のコントロールパネル上部に「地図更新中」と表示されます。

日の出/日没の定義

4.利用上の注意・免責事項等

本アプリをご利用の際は、以下の点にご留意ください。

  • 本アプリの解析結果は、ブラウザ上で実行される簡易的な計算アルゴリズムに基づくものであり、正確性、完全性、妥当性を保証するものではありません。
  • 日照時間の計算結果には、計算上の丸めや大気差の変動などにより、年間で数十時間程度の誤差が生じると思われます。
  • 本アプリの解析結果は、実地調査や詳細な設計・解析の代わりとなるものではありません。設計、施工等の重要な意思決定には、必ず専門家による適切な調査を行ってください。
  • 本アプリは地形の遮蔽判定など高度な計算処理をブラウザ上で行うため、ご利用の端末のスペック(CPU性能等)によっては、動作が遅くなる、または停止する場合があります。
  • 高負荷時には、外部データ配信元への負荷軽減および本サービスの安定運用のため、一部機能の制限、更新頻度の低下、または提供停止を行う場合があります。
  • 本アプリの利用により利用者または第三者に生じた損害について、株式会社みてしるは一切の責任を負いません。

【外部データについて】 本アプリは以下の外部データを利用しています。これらのデータに由来する部分の利用にあたっては、各提供元の利用規約および出典表示条件が優先して適用されます。

「水の道」を可視化するWebアプリ Flow Accumulation Realtime Renderer

「もし、地面にまんべんなく雨が降ったら、水はどこを通ってどこに集まるのか?」
このアプリは、国土地理院や産業技術総合研究所が公開している精密な標高データ(DEM)を使い、その場所の地形に基づいて「どこに、どのように水が集まるポテンシャルがあるか」を可視化するブラウザアプリです。

累積流量(Flow Accumulation のつくりかた)

従来の地図では描かれないような小さな谷筋や、住宅街の中のわずかな窪みを通る水の流れが、鮮やかな色彩で浮かび上がります。地形の起伏を強調する「陰影図」と重ねることで、大地の骨格と水のダイナミックな関係を探索できます。

地形図を読むのはトレーニングが必要ですが、地形を見る専門家が頭の中で考えていることの一部を「見て」「知る」ためのアプリです。

なぜ「水の集まり方」を知る必要があるのか? 水の流れ方は、がけ崩れ土石流といった土砂災害の発生場所に深く関わっています。もし、あなたのご自宅や職場の近くに「崖」や「谷の出口」がある場合、このアプリで「上流からどのように水が流れ落ちてくるのか」を大まかに把握しておくことは、避難計画やリスク管理の第一歩となります。もちろん、実際の危険性は地質・人工改変・排水状況・降雨条件などでも大きく変わりますので、この水の流れだけで危険箇所がわかるわけではないことには注意が必要です。

防災教育や地形判読の研究、実務の補助ツールとしてはもちろん、何より「自分の足元の地形」に関心を持ち、防災を考えるきっかけにしていただきたいと考えています。

アプリの使い方

まずはアプリを開きます → Flow Accumulation Realtime Renderer

※予告なくURLを変更する場合がありますので、ブックマークは本ページにしてください。

ステップ①:場所を探す

地図をドラッグしたりズームしたりして、調べたい場所を表示してください。最初は負荷を抑えるため、地形を立体的に見せる「陰影図」のみが表示されます。

  • 対応エリア: 「標高タイルソース」を切り替えることで、計算できるエリアを切り替えられます。

ステップ②:計算を実行する

画面左側のコントロールパネルにある「累積流量の計算を実行する」にチェックを入れてください。

  • 数秒〜十数秒(PCの性能によります)待つと、標高データから計算された水の流れやすい場所が色で表示されます。
  • ポイント: 広い範囲を表示しすぎると計算に時間がかかるため、まずは市町村レベルまでズームしてから実行するのがおすすめです。
  • コツ: 地図を移動させたりズームしたりするときには「累積流量の計算を実行する」のチェックを外すことをお勧めします。チェックが入っていると、地図を動かすたびに計算が走ります。

ステップ③:集水域を抽出します

画面左側のコントロールパネルにある**「集水域抽出モード」**にチェックを入れて、水系の一部をクリックすると、その地点を起点とする集水域(その地点に向かって水が集まってくる範囲)を表示します。表示している集水域はGeoJSON形式でダウンロードできますので、GISソフトなどで再利用可能です。


各種設定の見方・調整

■ 累積流量(水の道)の設定

  • ログ伸長(感度):
    パレットの色調整をします。スライダーを右に動かすと、より累積流量の小さな水系にも色が付くようになります。
  • 上位表示(%):
    水が集まる量が多い順に、上位何%を表示するかを指定します。数値を小さくすると「大きな川」だけが残り、大きくすると「網の目のような細流」まで表示されます。
  • パレット:
    流れる水の量に応じた色の変化(水色〜濃い青など)を変更できます。

■ 地形(陰影図)の設定

  • 陰影図を表示:
    地形の凹凸を光と影で表現します。チェックを外すと、背景地図が見やすくなります。
  • 不透明度:
    背景の地図(標準地図や写真)をどれくらい透かすかを調整できます。

■ 標高データの設定

  • 標高タイルソースの切り替え:
    現在は、産業技術総合研究所のシームレス標高タイルから、静岡県・神奈川県・東京都の詳細データと、陸域全体のデータを読み込めるようにしています。「陸域全体のデータ(陸域統合DEM)」は地域によってDEMの解像度が異なりますのでご注意ください。
  • 水系の計算に利用するメッシュサイズ:
    計算に使うメッシュサイズ(DEMの解像度)は地図のズームレベルに応じて変化します。画面左側コントロールパネル上部にメッシュサイズが表示されていますので参照してください。

■ 背景地図の切り替え

  • 標準地図: 道路や建物などの位置関係を確認するのに便利です。
  • 空中写真: 実際の木々の茂り方や土地利用と、水の流れを照らし合わせることができます。
  • OpenStreetMap:海外を含む広い地域で利用できる背景地図です。「陸域統合DEM」は海外にも(解像度は荒いものの)標高データがありますので、これとの組み合わせで海外の水系も可視化できます。

活用シーンのヒント

  • 土砂災害警戒区域とみくらべる:
    崖崩れや土石流の発生が想定されている場所と水の流れ方を見比べてみると、一つの区域の中でも水の流れ方が異なることがあるとわかります。
  • 地形の学習:
    尾根と谷、扇状地、段丘など、地形の成り立ちと水の流れの関係を一目で理解する教材として活用できます。
  • 古地図や地名との照合:
    「さんずい」のつく地名や古い地名がある場所と、計算された水の集まりやすい場所を重ねてみましょう。意外な発見があるかもしれません。

アプリの使用上の留意点

このアプリは、地形データの形状のみに基づく簡易解析です。
身近な防災や地形理解のきっかけとして役立つ一方で、実際の現象をそのまま再現するものではありません。

  • 地形形状だけを見ています:
    この解析では、地面への浸透、蒸発、地表面の粗さ、土地利用の違いなどは考慮していません。あくまで「地形のかたちに従うと、水はどこへ流れやすいか」を見ているものです。
  • 建物や植生、地下構造は反映していません:
    使用している標高データでは、建物や樹木などが除去されている場合があります。
    そのため、現地では建物があって水が通れない場所でも、解析上は水が流れる結果になることがあります。また、暗渠、雨水排水管、トンネルなどの地下構造は考慮されません。
  • 道路や橋などの影響で不自然な結果が出ることがあります:
    道路の盛り土や橋、標高データの表現方法によっては、水の流れが不自然に遮られたり、実際とは異なる方向に導かれたりすることがあります。これは地形データに由来するアーティファクトです。
  • 氾濫や浸水の再現ではありません:
    このアプリは、河川の氾濫や浸水深、水位変化を再現するものではありません。
    「一定の雨が降り続いたときに、地形的にどこへ水が集まりやすいか」を示す、地形ベースの可視化です。
  • 危険箇所を自動判定するアプリではありません:
    このアプリは、災害の危険性を直接判定するものではありません
    実際の災害リスクは、地質、表層土、植生、人工改変、排水状況、降雨条件、過去の履歴など、さまざまな要因によって変わります。このアプリは地形形状のみから、水の流れやすさを可視化するものです。
  • 重要な判断には、専門的な調査が必要です:
    本アプリの結果は、現地調査、測量、設計、ハザード評価などの代わりになるものではありません。防災、土地利用、設計、施工等の重要な判断にあたっては、必ず専門家による調査・検討を行ってください。
  • ハザード情報は公式情報をご確認ください:
    重ね合わせ表示される土砂災害警戒区域などの情報は参考表示です。
    最新かつ正式な情報については、各自治体や公的機関が公表するハザードマップをご確認ください。

もっと詳しく知りたい場合はご相談ください

このアプリは、地形の専門家が「地形判読」を行い危険箇所などを考える際に頭の中で描いているプロセスの一部を可視化したものです。しかし、実際の自然災害リスクを評価するには、微地形の読み取り、現地での土質・地質調査、過去の文献調査などが欠かせません。

株式会社みてしるでは、地形データや各種オープンデータの解析、ドローンやSLAM(携帯型のレーザースキャナ)等を用いた計測、文献調査・現地調査、地形判読などを通じて、自然災害リスクの把握や地域の地形理解に関する業務を行っています。

「自宅の近くの斜面や谷地形が気になる」
「この場所の災害リスクを、地形や現地状況も含めて見てほしい」
「オープンデータだけでは分からないので、詳しく調べたい」
といった場合は、個別の調査・解析も可能です。お気軽にご相談ください


技術ノート

本アプリは、表示範囲に応じて標高タイルを取得し、ブラウザ上でリアルタイムに地形解析を実行するWebアプリケーションです。Webブラウザの計算リソースをフルに活用し、大規模なグリッド計算をフロントエンドで実行しています。

窪地処理: Priority-Floodアルゴリズムを用いてDEMの窪地(Sink)を埋め立て、すべてのセルから流出口までの経路を確保しています。

地形の窪地埋め処理のイメージ

流向計算: 多方向流アルゴリズム D-infinity (Dinf) を採用しています。従来のD8法に比べ、斜面における水の分散をよりリアルに表現可能です。

DEMから累積流量を求めるまで
累積流量のイメージ

集水域抽出: クリック地点からの逆算には、D8流向を用いた高速な幅優先探索(BFS)を実装しています。


三島市立公園 楽寿園の三次元点群データを市に寄贈しました

みてしるのある三島市には、駅前すぐに楽寿園というステキな公園があります。新幹線駅から徒歩すぐにもかかわらず、約1万年前に富士山から流れてきた溶岩と、その上に広がる森や庭園が広がっています。夏場には湧水が池や瀬を満たします。公園の一部には動物園やミニ遊園地もあり、市民や三島を訪れる方の憩いの場になっています。

みてしるでは、さまざまな解析のために計測機器などを用いて対象物の形状を調べたりします。今回、「LiDAR SLAM」という機材のテストを楽寿園で行わせてもらいました。LiDAR SLAMは手に持ったり背中に背負ったりして歩きながら周囲をレーザスキャナで測定できるものです。巨樹・巨木の計測に使ったりしているのと同じ種類の機材です。

今回のテストでは、比較的広い範囲の計測を行ってみたかったので、せっかく測るならステキでいろいろな形のものがある場所がいいなぁと思い、楽寿園に許可をいただき、機材を背負って園内をうろうろさせていただきました。園内の約75,000㎡の範囲を3回に分けて計測し、後でデータを接合して公園全体の三次元点群データとしました。機材のテストとしてはいろいろ課題もわかりましたが、できた点群データは(ちょっと粗いところもありつつ)ちゃんと使えるものですので、せっかくなので活用していただきたく三島市に寄贈いたしました。

7月23日に市役所で市長にデータをお渡しし、ちょっとした解析結果などを報告しました。

こんな感じのデータです↓

楽寿園三次元点群データの様子は今後紹介する予定です。また、データについては三島市がオープンデータとして公開することを検討してくださっていますので、もし公開されたらみなさん使ってみてください。



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巨樹・巨木の姿をみる

静岡県にはたくさんの巨樹・巨木があります。高さ数10mにもなる大きな木がご神木として神社にたたずんでいたり、公園で人々の姿を見つめたりしています。一方で、こうした大きな木もやはり姿を変えています。樹木の健全度を把握したり、落木などの事故を事前に防ぐためにも、木の姿をきちんと記録しておく必要があると思います。

静岡県函南町 天地神社の大楠

写真による記録やメジャーによる計測も大切ですが、大きな木だけあって上の方は測ったりするのが大変です。写真も手前の枝や葉にさえぎられて奥にある枝などは捉えられません。

今回はスタッフの練習もかねて手持ちのレーザースキャナーを使って巨樹・巨木の姿をどの程度とらえることができるか試してみました。スキャンさせていただいたのは静岡県函南町の天地神社にある大楠です。

スキャンに先立ち、スキャンデータを既存の地図ときっちりとあわせるための基準点を作ります。今回はRTK-GNSSで6点くらいの基準点を作りました。基準点が設置できたら手持ちのレーザースキャナーを持って、設置した基準点を順番に回るように歩いて回ります。天地神社の大楠は葉っぱも多く高さもあるため、真下からスキャンしても木の最上部までレーザーが届かなそうでした。そのため、てっぺんを見上げられるよう大楠から離れた場所からも狙いました。

レーザースキャンじたいは20分程度で完了しました。できた点群が↑です。大楠だけでなく神社全体をスキャンし、点群を高さで色分けして表示しました。近くにある2階建ての建物や神社の鳥居のサイズと比べると木々の大きさがわかると思います。

神社の参道に沿って断面を作ってみるとこうなります。大楠の高さは約31mくらいで、大きく枝を広げた立派な姿をしていることがわかります。大楠内部の枝の形状もかなりとらえていますが、樹頂付近はさすがに点群が薄くなっています。この大楠のように樹勢がよく葉が多い場合にはドローンを使ったレーザースキャンも併用して上からも計測した方がいいかもしれません。

樹木の点群データ活用や、巨樹・巨木計測に関してはこれからも続けてみようと考えています。

【追記】天地神社大クスの3DGS映像作りました


天地神社の場所


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webサイト立ち上げ中

仕事の合間にぼちぼち作っていきます。

ヘッダー画像(CHM)

このwebサイトのヘッダーに使っているこの画像は、Virtual Shizuokaの点群データから作った「建物や樹木の高さマップ」です。

色塗りだけではちょっとわかりにくいので、DSMの陰影図を背景に敷いてみます。三島市の駅南エリアで、楽寿園や三嶋大社の高い木がたくさんある森や、駅近くや東海道沿いにビルが多い様子がよくわかります。データにひと手間加えて「見える化」することで今まで気が付かなかったことに気が付くことができるようになるかもしれませんね。

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